氏名で文字化け?「𠮷野家の𠮷」などサロゲートペア文字の基礎と対処

氏名の登録などを実装しているときに遭遇する「サロゲートペア」という単語。
氏名の「𠮷」が「?」や□になる原因がこれです。
ここでは仕組みと、どう確認、対処するかを整理していきます。


本記事でわかること

サロゲートペア文字の基礎と実務での扱い方をまとめています。

  • サロゲートペアとは何か、どの文字が該当するか
  • 文字化けが起きる理由と発生しやすい環境
  • 確認と回避のポイント(入力・保存・表示)
  • システム側での対応方針

サロゲートペアとは

「1文字を16bitで表せないので、2つに分けて表す仕組み」です。

Unicodeでは、基本多言語面(BMP)という「最初の6万5千文字くらいの領域」があり、ひらがなや漢字の多くはここに収まります。
BMPの外側にある文字を、UTF-16では16bit×2=計32bitで表現します。
例として「𠮷(つちよし)」や一部の絵文字、異体字などが該当します。

なぜ文字化けが起きるのか

原因を分けて見ると、対策箇所がはっきりします。

  • フォントが未対応: 表示できず「□」「?」になる。
  • 文字コード/エンコーディングの非対応: UTF-8/UTF-16で正しく扱わないとデータ自体が欠落する。
  • 文字列長さの扱い: UTF-16の文字数とコードユニット数の違いで、バリデーションが誤判定することがある。
  • DBやAPIの仕様: カラムの文字セットがUTF-8/UTF8MB4でない場合に保存できない。

よく出る文字例

見かける頻度が高い代表例を挙げます。

  • 氏名: 「𠮷」「髙」「﨑」など(異体字も含む)
  • 絵文字: 🥺 😇 🤔 など(補助面の絵文字)
  • 記号: 𝄞(ト音記号)や 𝕄(黒板太字のM)、𝟘(数学用0)など補助面の記号

確認と回避のポイント

入力→保存→表示のどこで問題が起きているかを確認しましょう。
以下のようなポイントに気をつけましょう。

  • 入力: ブラウザやアプリが文字化けせず送信できるか。フォームで?や□にならないか。
  • 通信/API: リクエスト/レスポンスがUTF-8(必要に応じUTF-16)で送られているか。
  • DB: 文字コードがUTF8MB4(MySQL/MariaDB)など補助面対応になっているか。カラム長の定義に余裕があるか。
  • 表示: 対応フォントを用意しているか。OS/ブラウザが絵文字や異体字に対応しているか。

システム側での対応方針

実際に実務で使う場合を想定してチェックポイントを整理します。

  • 文字コード: アプリ/DB/通信をUTF-8(DBはUTF8MB4)で統一する。
  • バリデーション: 文字数判定でサロゲートペアを1文字として扱う(ライブラリの文字数カウントを利用)。
  • フォント: 表示面で対応フォントを用意し、CSSやOS設定でフォールバックを指定する。
  • テスト: サロゲートペア文字を含むテストデータ(「𠮷」「髙」「🥺」など)で登録・検索・表示を確認する。

注意点とユーザー対応

ユーザーに不具合を感じさせないために、事前説明や代替案を用意します。

  • 登録不可の場合は「別の表記を併記してもらう」「備考に正しい表記を記入してもらう」などの補助導線を用意する。
  • 表示だけ問題がある場合は、入力値はそのまま保持しつつ、表示用フォントを改善する。
  • どうしても扱えないシステムの場合、制限事項を明記し、将来の対応計画を提示する。

まとめ

  • サロゲートペア文字(「𠮷」など補助面の文字)は、フォント・文字コード・バリデーション・DB設定のいずれかが対応していないと文字化けが起きやすいです。
  • まずはUTF-8/UTF8MB4への統一、対応フォント、正しい文字数判定を実装し、テストデータで登録/表示を確認しましょう。
  • ユーザーに影響が出る場合は、代替表記の案内や制限の明示でトラブルを減らしつつ、システム対応を進めましょう!