WSL 3.xのインストール方法|Ubuntuの初期設定と更新後の確認

WSL 3.xのインストール方法|Ubuntuの初期設定と更新後の確認

WSL 3.0系の話題を見て使い始めようと思っても、「初めて入れるなら何を実行するのか」「すでにUbuntuがある場合も入れ直すのか」で迷いやすいところです。更新後の一覧に「VERSION 2」と表示され、更新できていないように感じることもあります。

WSLの導入では、Windows上のWSL本体と、その上で使うUbuntuなどのLinux環境を順に用意します。ここではWindows 11でPowerShellを使い、初回インストール、Linuxユーザーの初期設定、導入済み環境の更新、最後のバージョン確認へ進む手順を紹介します。


初回導入か更新かを確認する

すでにUbuntuなどで作業しているなら、まずWindows側のPowerShellで次の2つを実行してください。Ubuntuのターミナルではなく、Windows TerminalのPowerShellタブを使うと、以下のコマンドをそのまま入力できます。

wsl --version
wsl --list --verbose

wsl --versionはWSL本体やカーネルのバージョン、wsl --list --verboseは登録済みLinux環境の名前・状態・実行方式を表示します。

  • Ubuntuなどが登録済みなら、その環境を使いながらWSL本体を更新する手順へ進めます。
  • WSLを一度も導入していなければ、次の初回インストールから始めます。
  • WSL本体はあるのにLinux環境がない場合は、Ubuntuなどを追加して初期設定を行います。

古いWindows組み込み版のWSLでは、--versionが使えない場合があります。そのときは、構成を確認する次のコマンドとMicrosoftのトラブルシューティングを手がかりに、表示された状態を調べてください。

wsl --status

WSL本体の「3.x」と一覧の「VERSION 2」は違う番号なので、この時点で2と表示されても入れ直す必要はありません。番号の読み方は、後半で説明します。

PowerShellを管理者として開く

初回導入ではWindowsの機能を有効にするため、管理者権限を使います。スタートメニューで「PowerShell」を検索し、「管理者として実行」を選んでください。Windows Terminalを管理者として開き、PowerShellタブを使ってもかまいません。

インストールにはインターネット接続と、Linux環境を保存する空き容量が必要です。再起動することもあるので、作業中のファイルは先に保存しておくと安心です。会社の端末では、WSLや仮想化機能の利用について組織のルールを確かめてから進めてください。

WSLとUbuntuをインストールする

Ubuntuを使う場合は、管理者のPowerShellで次のコマンドを実行します。

wsl --install -d Ubuntu

--installはWSLの導入、-d Ubuntuは導入するLinuxディストリビューションの指定です。WSLが未導入なら必要なWindows機能も有効化されます。再起動を求める案内が表示されたら、Windowsを再起動してからUbuntuの初期設定へ進んでください。

Ubuntu以外を選びたい場合は、先に次のコマンドで利用可能な名前を調べられます。

wsl --list --online

一覧のNAME列がインストール時に指定する名前です。Ubuntuと、バージョンを明示したUbuntuの項目が並ぶ場合もあるため、説明欄も見て選んでください。WSL 3.xはWSL本体の番号で、Ubuntuのリリース番号とは別です。

出典:Microsoft Learn:WSLのインストール、WSLの基本コマンド。

Ubuntuのユーザーを設定する

インストール後、スタートメニューからUbuntuを開きます。初回はファイルの展開などに時間がかかり、その後Linux側のユーザー名とパスワードを設定する案内が表示されます。

ここで作るのはUbuntu内のユーザーです。Windowsのサインインとは別に管理され、Windowsと同じ名前やパスワードにそろえる必要はありません。パスワード入力中に文字や「*」が表示されなくても、入力を受け付けている場合があります。案内に沿って入力し、確認用にも同じパスワードを入力してください。

設定後にLinuxのコマンドを入力できる画面へ進めば、Ubuntuの初期設定は終わりです。以後は通常のWindowsユーザーでUbuntuを開いて使えます。WSL本体の更新やバージョン確認は、引き続きWindows側のPowerShellで行います。

出典:Microsoft Learn:WSL開発環境の設定。

導入済みのWSL本体を更新する

Ubuntuをすでに使っている場合は、Linux環境の再インストールから始める必要はありません。作業中のファイルを保存し、Windows側のPowerShellでWSL本体を更新します。

wsl --update

このコマンドは、その時点で提供されているWSLの最新版を取得します。特定の3.0.1に固定して導入する指定ではないため、実行する時期によっては、それより新しいバージョンになることもあります。権限の確認や再起動を求める案内が出た場合は、その内容に沿って進めてください。

WSL本体の更新と、Ubuntu内に入れたソフトウェアの更新は別の操作です。wsl --updateだけでUbuntu内のすべてのパッケージが更新されるわけではありません。

正式提供版を使うために、プレリリース版の導入オプションを付ける必要はありません。更新で403や0x80190193が出る場合は、ネットワーク側の制限も関係するため、WSL更新が403で失敗する場合の確認手順を参考にしてください。管理端末の通信制限を自己判断で解除して進めるのは避けましょう。

出典:Microsoft Learn:WSLの更新コマンド、WSL 3.0.1リリースノート。

更新後のバージョンを読み取る

インストールや更新を終えたら、PowerShellで本体とLinux環境をそれぞれ確認します。

wsl --version
wsl --list --verbose
見る場所 番号の意味 確認できること
wsl --versionのWSLバージョン WSL本体のリリース番号 3.0.1など、導入されている本体のバージョン
wsl --list --verboseのVERSION列 Linux環境を動かす方式 そのディストリビューションがWSL 1またはWSL 2で動くか

本体が3.0系でも、UbuntuのVERSION列が2なのは正常です。「3に変換する」操作を探す必要はありません。wsl --installで新しく導入するLinux環境は、既定ではWSL 2になります。

以前から使っている環境で1と表示される場合も、WSL本体の更新失敗とは限りません。WSL 1から2への変換はLinux環境に対する別の変更なので、必要性とバックアップを考えてから判断するのがよいでしょう。

新機能やコンテナーの使い方が気になったら、WSL 3.0の変更点とWSL containersの概要へ進むと、導入後に何を試せるかをつかめます。

導入が進まないときは表示された状態を調べる

再起動後もUbuntuが起動しない場合は、エラーコードとメッセージを控え、Microsoftのトラブルシューティングで該当する項目を探してください。たとえば0x80370102では、仮想マシンプラットフォームやBIOS・UEFIの仮想化設定が確認点になります。必要な設定は機種によって異なります。

インストールが0.0%のまま止まる場合には、Microsoftの導入手順に別のダウンロード経路を使う方法も載っています。会社の端末やネットワークでは、別経路が利用ルールに合うかも確かめてから試してください。

一方、Linux環境が一覧にあり、状態がStoppedになっているだけなら、停止中という意味です。インストール失敗を示す表示ではないので、スタートメニューからその環境を開いて動作を確かめられます。

導入が終わったら、Ubuntuの初期設定が完了していること、WSL本体のバージョン、Linux環境の実行方式の3点が次の作業へ進む目安になります。

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